2005-7-10(Sun.)

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中之島にある国立美術館に着いたのは10時くらいやったと思うんやけど、すでに長蛇の列! 中に入っても有名な絵の前ではみんなが立ち止まるからググググーッてもぐりこまな、前に行けへん。 もう少し高い位置に配置してもらえると遠くからでも下まで見えるのに。
ゴッホの絵のテーマや画法ごとに類似した別の画家の絵が順路の途中途中に並んでいる。 そうすることによって、よりゴッホという一人の人間像を浮かび上がらせているように思えた。 綿密な点描・正確な写実だとゴッホではない。 良くも悪くも死ぬまで子供だったのかも?作品によく使われている青と黄色、この補色の関係は 見ていてどうも落ち着かない気持ちになる。やはり狂気の色使いなのかしら?


この下にあるのは常設展で見た『シュテファン・バルケンホール』というドイツを代表する現代彫刻家の作品です。 木は乾燥して割れちゃってるし、作品からのメッセージは伝わってこないし、胸が突起してても男にしか見えないし、 黒いプードルはメチャクチャ恐い顔して足が熊やし・・・

ゆっくりと美術鑑賞を終え、夜の歌舞伎までの間、ランチでございます。
なんばウォークでお寿司を食べることにしました。 初めて入ったそのお寿司屋さんで、自分の耳を疑うようなことを言われてしまいました。 「双子でしょ?」って聞いてくるのよ、お店の人が。「は?なんで?」って聞き返すと、 「そっくりやん」って。今まで、妹と弟はよく似てるって言われてたけど、私だけは父親似で、 下の二人には似てないと思ってたのに、「双子」とまで言われてもた。っちゅうことは何かい? 妹と私が双子に見えるくらい似ているということは・・・ A=B, B=C ∴A=C ・・・やっぱり考えるのやめよ。
ランチですっかり夜モードに入り、お腹いっぱいのお寿司とジョッキ2杯のビール。あぁそれなのにそれなのに・・・
巷で話題になっているマンゴーたっぷりのカキ氷が食べたいと、私に似ても似つかない胃袋を持った妹が言うのよ。 なんでも、少し前のニューススクランブル「ご当地グルメ」で紹介されてたんだって。 その上、先週の「あるある」でマンゴーが美肌に効果的ってメキシコから紹介されてたし。 まわりのお店が気の毒なくらい、ここのお店にだけ客がいっぱいだったのよ。 甘いものにたかる蟻状態やなぁ。


大阪松竹座での『18代目中村勘三郎襲名披露』です。
夜の部は16:30開演、さすがに着物姿の女性が多い。

松竹座に入るとお祝いのお花がいっぱい。
『ラサール石井』演出のお芝居には勘九郎時代にいろいろ出てるって。
ここには名前がないけど、『渡辺えり子』が書いた「桃太郎が49歳になったら」というような、 これまた大いに笑えそうなお芝居が、勘九郎で最後の演目だったんだって。
右の写真に見えているのは『笑福亭鶴瓶』、元総理大臣『海部俊樹』、他のフロアには 『掛布雅之』など私たちでもすぐ分かる各界の有名人から御祝の花がたくさんが届いている。 顔の広さとともに芸の幅のの大きさが伺える。

夜の部には口上はありません。が、太夫姿の芝翫、源氏の大将 仁左衛門、そして広元の勘三郎。 この三人で始めのご挨拶がありました。そうそう、この番付を買う時に割引券をくださった見ず知らずのおばさま、ありがとう!

『宮島のだんまり』は本当に豪華絢爛なキャストや衣装が見もの。
歴史的にも源平の有名どころということですが、ただただ豪華な舞台に圧倒されました。ブラボー!

『大津絵道成寺』は雁治郎の5変化とあって本当にほぼ一人芝居状態です。 ここでお昼に飲んだビールが効いてしまい、睡魔と格闘。 それをキッパリ覚ましてくれたのが10人の槍奴。 一人一人が現代を風刺したり、大阪を賞賛したりの楽しい句を詠み始めたときです。 昨日中日に負けた阪神ですが、8ゲーム差なら余裕とか、キダタローの「とーれとれ、ぴーちぴち」 とか、笑いと拍手が絶えませんでした。

いよいよ最後は『研辰の討たれ』です。まずのっけから「赤穂義士」の悪口三昧。 赤穂生まれで赤穂育ちの私ですが、子供の頃から辰次とまったく同じ考えです。 「一番悪いのは浅野のタクちゃんだ、こらえ性がない!」なんて言うものだからホントに私はスッキリした。
辰次を敵と追うハメになった兄弟は兄が染五郎、弟が勘太郎。大仕掛けなセットがグルグル回り、 動きも台詞もおよそ歌舞伎であるということを忘れて入り込みました。 野田秀樹の演出・脚本だけあって、みなさん体力勝負をされているようでした。 最後に討たれて死ぬまでずーぅっと笑いっぱなし。だいぶシワが増えたで。 染ちゃんと勘太郎の「あるある探検隊」ポーズ、七之助の映画そのままの「弥次さん」姿。 本当に面白いお芝居で、毎回アドリブが違うのかと思うと何回も見たいと思いました。

今回この『勘三郎襲名披露講演』は妹からのプレゼントでした。
謝謝!! 妹はもう一度見に行くらしい、その上DVDも買ってるって。まぁその価値はありますね。 私にとっては千載一遇の出会いとして長く心に残るでしょう。